私の学生の頃の夢は引きこもりでした
私は社会に出るのが怖くて出来ることなら何もしないで生きていたいと思っていました
人と付き合うことは下手ではありませんでしたがとても苦しいことでした
なので社会に出て働きたくないと思っていました
ですが親はそんなに甘くはありませんでした
学校を卒業して家に居続けるならば毎月3万円払ってくれと言われました
仕方なく何か仕事をしなければいけないと思い、家の近所のお弁当屋さんで働こうと思いました
ですがここで1つ問題が起きました
それは私が面接を受けたいとお願いをする電話を掛けきらなかったことです
2時間以上、電話を握りしめ番号を押しては消してを繰り返し、結局は電話をすることができませんでした
なので最終的には直接お店に行って面接をお願いしに行くことにしました
お店に着いて店長らしき人に「求人の張り紙を見てきたんですけど…。」と声を振り絞って言ったら
「こんな忙しい時間に来て…、まずは電話でアポを取るのが常識だろ」と一喝されました
申し訳ありませんと泣きそうな声で謝りすぐに出ていきました
社会不適合者が社会に出る
帰り着いて自分は社会不適合者なんだと自分を責めました
私は常識的なことができない人なんだと分かりました
でもお金が必要です
そんな時無職の私を見かねて祖母が知人の職場を見つけてくれました
そして祖母が面接についてきてくれました
仕事の面接に保護者同伴など常識ではありえませんが常識に縛られていたら私は生きていけません
就職も決まりそこで一人暮らしをすることになりました
手取りは約10万円、月の休みは4日だけ、繁忙期は毎日14時間労働でした
でもお金がもらえて社会の歯車の一部になれているというのは幸せなことでした
仕事は苦しいけど頑張って働き続けていればお金が貯まっていつの日か引きこもりになれると思ってモチベーションを維持し続けていました
短所は長所だった
私は過酷な労働環境も安い給料も仕方ないと思っていました
むしろ社会不適合者の私を雇ってくれている会社に感謝すらしていました
その精神で働き続けていて5年が経った時、会社で新しい事業をすることになりました
その担当に私が選ばれました。おそらく真面目で勤勉だったから選ばれたのだと思います
その時に初めて月給が5千円上がりました
生活がすごく楽になると思いました
その時に免許もとらせてもらいました
その2年後に主任になりました
過酷な環境で給料も安くて待遇も悪いけど仕方ないと思えて働き続けられるのは有能な人では無理だと思います
私は社会不適合者だと思っていたのでどんな環境でもありがたいと思っていました
それがこの会社では評価に繋がったのだと思います
急がば回れで今は後ろ向きに進んでいる
私の今の目標は相変わらず引きこもりです
ですが引きこもりになるためにはお金が必要でお金は働かないともらえません
なので一生懸命に働いています
そうするとそのうちに人から認められます
するとさらに仕事に前向きになれます
その結果私は今引きこもりを目指してばりばり働いています
思い描いたような人生にはなかなか近づけないですが私が生きてきた道は悪くはなかったのかなと思います
また明日からも引きこもりを目指して仕事を頑張ります